W3C勧告文書の日本語翻訳物作成手順の案について以下に示す.
作業用ファイルフォーマットとしては,W3C翻訳ガイドライン [1] に則り,HTMLを用いることが望ましい.
※注意: 最終的な公開物が,「印刷物で公開する」等の理由によりHTML以外のフォーマットである場合も,翻訳および査読作業はHTMLを用いて行い,最終的に公開する際に他のフォーマット (Word,PDF等) に変換することが望ましい.なお,他のフォーマットを用いる場合においても,図やリンク等,HTMLに含まれる情報を保存することが望ましい.
査読作業を確実に進めるため,査読対象ファイルのバージョンを確実に管理することが必要である.また,作業の効率化を図るために,査読対象ファイルを分散管理することが望ましい.
上記「1.1 作業用ファイルフォーマットに関する要件」を考慮した上で,翻訳対象であるW3C仕様書 (英語原本) を日本語に翻訳し,「日本語原本」を作成する.
まず,各査読単位を査読担者に割り当てた上で,以下の観点にもとづいて,各査読担当者が,各自の担当する査読単位の査読を行う.その結果にもとづいて,査読者全体で,やはり以下の観点にもとづいて,各査読担当者の査読結果を検証する.
査読の観点:
下記の工程2.2および工程2.3における査読作業にあたっては,以下の観点に留意する:
なお,工程2.2および工程2.3における査読作業にあたっては,英語原本中の文章の意味を変えないよう,できるだけ原文に忠実な翻訳となるように努める必要がある.一方,英語原文の意味がわかりづらいく,読者の理解を助けるために補足が必要な場合は,その補足部分について「訳者注釈」として明記する.
※訳者注のHTMLテンプレート
<div class="note" id="issue-container-generatedID">
<div role="heading" class="ednote-title marker" id="h-ednote" aria-level="5"><span>翻訳者のメモ</span></div>
<p>訳者注の記述内容をここに書きます。<br/>
訳者注の中で、文書中の他の箇所を引用する場合、以下の形式で章番号を参照してください。<a href="#sec-hypermedia-controls">§ <bdi class="secno" >章番号.節番号.項番号</bdi> 章タイトル</a>。<br/>
また、引用内容は、以下のように <blocquote>〜</blockquote> を利用して引用してください。<br/>
<blockquote>引用内容をここに書きます。</blockquote>
</p>
</div>
査読担当者に過度な負担を強いない形で作業を円滑に進めるため,査読作業にあたっては,「日本語原本」を段落ごとに分けた上で特定の担当者に割り当てる.その際,各担当者の持つ知識および興味を考慮した上で割当を行う.
なお,段落ごとに分割した各担当者の査読対象部分を「査読単位」と呼ぶ.また,ある特定の査読単位の査読担当となった査読者のことを,その査読単位の「査読担当」と呼ぶ.
各査読担当は,割当表にもとづいて,各自が担当する査読単位の査読を行う.
なお,査読作業の結果,修正が必要と思われる場合,査読担当は,GitHubのPullrequestの仕組みを使って修正内容を提案する.
Pullrequest作成の基本的な手順
Pullrequest作成にあたっては,Pullrequest作成のチュートリアルも参照のこと.
なお,査読にあたってはW3C仕様書の日本語翻訳にあたってのガイドライン (案)も参照のこと.
作業担当者: 査読担当 工程生産物: GitHub上のPullrequest (もしくはIssue)
DSTF会合の中で,各査読担当が作成したPullrequestにもとづいて,GitHubのPR Preview機能を援用しながら,「対応する英語原本」と突き合わせながら,各査読単位の妥当性を検証する.
なお,工程2.2における各査読担当の査読結果として,「問題点があると思われるが,具体的な修正内容が不明」な場合は,その問題点について,GitHubのIssueとして指摘されているため,全体会合の中で具体的な修正内容について協議する.
工程2.3で生産した,修正版の査読単位から構成される,修正済みの日本語原本を,公開向けフォーマットに合わせて変換する(例えば,HTMLからPDFやWordへ変換する).
例)
公開に先立って,「公開原本」の内容について,あらためて「工程2: 日本語原稿の査読」の「査読の観点」に示すような観点で問題ないか(文末の「である調」等について)全体を通した再確認を行うべきであると考えられる.この最終確認作業については,「いつ・誰が行うか」を,公開先・査読者全員・事務局の間で意識合わせの上で,最終的な公開内容に問題のないようにする.
文献: [1] https://www.w3.org/Consortium/Translation/
以上